山田 正彦 YAMADA masahiko
解体現場を動かす「運ぶ仕事」
Q:まず、現在担当されている“運輸部の仕事”について教えてください。
運輸部では、解体現場で発生した廃材を、中間処理場や最終処分場へ運搬します。
私は10tダンプに乗り、現場と処分場を往復して、廃材を滞りなく出し続けるのが役割ですね。
仕事内容や現場によっては、廃材を運ぶだけではなく、アタッチメント(重機の付属部品)を運んだり、アームロール車で廃材コンテナを入れ替えたりもします。
「現場がスムーズに進むように、運ぶ側が詰まらないことが大事だと思っています。」
主な業務は次のとおりです。
・10tダンプで廃材を運搬(現場 ↔ 中間処理場・最終処分場)
・現場状況に応じた車両の乗り分け(ダンプ、アームロール等)
・出社後の車両点検
・運搬ルートの確認(大型進入禁止・高さ制限など)
・現場内での安全確認(作業員・構造物・足元の状況など)
異業種から、もう一度“運転の仕事”へ戻った理由
Q:異業種から転職されたと伺いました。どのような経緯だったのでしょうか?
高校卒業後は自動車会社に入社して、6年ほど働いていました。
その後、地元に戻ってからはトラック運転手として長距離輸送も経験しています。
東日本大震災の年の10月頃、東日本方面を走っていた時期があって、家族や親戚から「心配だからトラックを降りてほしい」と言われたんです。
それがきっかけで、一度は電力会社で営業の仕事をしていました。
ただ、営業は月々のノルマが常に頭にあって、悩む時期が続いていました。
その中で「やっぱり自分は運転の仕事の方が向いている」と、ずっと思っていたんですね。
転職のきっかけは、社長の親族の方と自分の妻が面識があったことです。
自分が大型免許を持っていることを以前から知っていてくれていて、「また運転の仕事をしてみてはどう?」と声をかけてもらったことです。
「ノルマから解放されて、自分に合う仕事をしたい。そう思って決めました。」

ダンプならではの難しさと、安全のために意識していること
Q:入社後に苦労したことや、気をつけていることはありますか?
一番悩んだのは、長距離トラックとダンプの“感覚の違い”です。
長距離のトラックは車体が長く曲がり方も大回りになりやすいんですが、ダンプは小回りが利く分、同じ感覚で曲がると膨らみやすくて、巻き込みのリスクが増える。
最初の頃は、交差点に入る時のハンドルを切る位置をかなり気にしていました。
それと、現場は運送会社の物流センターみたいに広くて整った場所ばかりじゃありません。
地面の状況、作業員さんの動き、構造物の出っ張り、タイヤの位置。気をつける点が一気に増えます。
だから自分は、現場に行く前に ルートを調べる ようにしています。
自宅でPCやタブレットで地図を見て、大型進入禁止や高さ制限がないか確認します。もし見つけたら、すぐ現場に電話してルートを調整します。
「大型車に乗っている側の目線で、先に危ない芽を潰しておくのが大事だと思っています。」
特に怖いのは交差点で、福岡の街中などは自転車やバイクが急に入ってくることもあります。巻き込みには本当に気をつけています。子どもが近づいてくる場面もあるので、なおさら慎重になりますね。

分からないことは聞く。メモして覚える。支えてくれた職場の雰囲気
Q:業界用語など、最初は大変ではありませんでしたか?
正直、最初は分からないことだらけでした。
現場で専門用語が飛び交うと「それ何のことだろう?」となって、何度も聞きましたね。
それと、入る前は「建設・解体業界って怖い人が多そう」と思っていて、聞くのが怖かったんですよ。でも実際は、この業界は初めてだと伝えれば普通に親切に教えてくれる。そのギャップに驚きました。
「分からないことは聞いていいよって、最初から言ってもらえたのが大きかったです。」
どの仕事でも情報共有は当たり前だと思いますが、運輸部も同じく、情報共有を大事にしています。初めて行く現場でも、先輩が「何時から入って、ここを通って、ここで下ろして」と細かく説明してくれる。交差点が分かりにくい時は、LINEで地図を送ってくれることもあります。
相談しやすくて、ギスギスした感じはあまりない。そこが働きやすさにつながっています。

未来の仲間へのメッセージ
Q:最後に、就職を考えている学生に向けてメッセージをお願いします。
運輸部の仕事は、車が好きな人、動くものを操作するのが好きな人に向いていると思います。自分も小さい頃から車が好きで、トラックや大きい車に憧れていました。
あと、一番大事だと思うのは 挨拶 です。
自分から「おはようございます」と言えると、現場でも職場でも良いスタートが切れると思います。
最初から完璧じゃなくて大丈夫。分からないことは聞いて、覚えていけばちゃんと慣れていきます。
1日のスケジュール
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06:30出社・車両点検出社後、大型ダンプの車両点検を行います。タイヤや灯火類、荷台の状態などを確認し、その日の運搬内容や現場の情報もチェック。
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08:00現場入り / 朝礼・作業確認現場に到着後、作業員と朝礼を行い、その日の作業内容や安全事項を共有します。解体で出た廃材をダンプへ積み込み、処分場への運搬を開始します。
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10:00午前の休憩現場の状況や作業の区切りに合わせて休憩を取ります。 現場作業員の休憩に合わせて一緒に休憩することもあります。
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10:30業務再開(運搬作業)現場と処分場を往復しながら廃材を運搬します。 処分場での荷下ろし後、再び現場へ戻り積み込みを行います。
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12:00昼休憩処分場や現場の休憩時間に合わせて昼休みを取ります。 車内や休憩スペースで昼食を取り、午後の作業に備えます。
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13:00午後の運搬作業午後も引き続き廃材の運搬を行います。 現場の進行状況に合わせて、積み込みと運搬を繰り返します。
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15:00午後の休憩作業の区切りで小休憩を取り、水分補給や体調管理を行います。
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15:30作業再開午後の運搬を続け、現場の作業終了に合わせて運搬を行います。
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17:30帰社・報告現場から会社へ戻り、その日の運搬内容を報告。 トラックの簡単な清掃や点検を行い、翌日の準備をします。 ※現場の場所によって帰社時間は変わります。
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18:00退社業務終了後、帰宅。
